合同会社設立のメリット
合同会社設立のメリット・デメリットは以下をご覧ください。
合同会社設立のメリット
個人事業に比べて信用度が高い
これが会社を設立する最大のメリットではないでしょうか。
法人格を持つことによって、具体的には、
- お客様が安心感を持ちやすい
- 銀行や取引先の信頼感を得られやすい
※個人事業主では取引しない企業や店舗などの賃貸に応じない業者も存在します。 - 従業員などの採用に有利
などのメリットが見込めます。
ただし、一般的な認知度は株式会社のほうが高いといえます。
法人に限定されている事業に参入できる
法人格がないと、許認可がとれない事業があります。
例えば、介護事業は法人格を持っていることが許可の要件とされています。
個人事業よりも節税できる
個人(累進課税)と法人(原則定率)の税率構造の違いにより、所得の額によっては会社設立による節税が可能です。
一般的には、所得が500万円前後になれば法人化による節税を検討すべきでしょう。
社会保険に加入することができる
個人事業主は国民年金・国民健康保険しか加入することができませんが、会社設立によって厚生年金・健康保険に加入することができます。
社会保険加入によって、年金受給額のアップや傷病・出産時の給付金を受けることができる、などのメリットが生じます。
保険料の負担は発生しますが、経費とすることが可能です。
代表者の責任の範囲が有限になる
個人事業主の責任は無限ですので、もし事業に失敗した場合は個人の財産を処分してでも負債に充当しまければなりません。
合同会社は有限責任ですので、出資金以上の責任を負うことはありません。
決算日を自由に決めることができる
個人事業の場合、決算日は毎年12月31日と決められており、翌年の3月15日までに確定申告しなければなりません。
会社は決算期を自由に定めることができますので、事業の繁忙期を避けて決算日を決めるといったことが可能です。
代表者が亡くなっても相続税がかからない
個人事業主が亡くなった場合、事業資産であっても全て相続税がかかります。
会社の場合は、代表者が亡くなっても会社自体は存続しますので、代表者個人の財産(会社の株式など)を除いて会社の財産に相続税がかかることはありません。
また、「会社自体は存続する」ことによって事業の継続ができますので、これもメリットといえます。
株式会社に比べると設立費用が安い
株式会社の設立には、実費で約24万円必要です。(印鑑作成除く)
一方、合同会社の設立費用は10万円です。
なにかと物入りな会社設立時においては、14万円の差は大きいといえるかもしれません。
また、株式会社と異なり定款の認証手続が不要ですので、その分手続が早く済むともいえます。
損益配分を自由に決めることができる
株式会社では、出資割合によって配当金の分配率が決まりますが、合同会社では定款によって自由に定めることができます。
これによって、出資比率は低いが特別な技術・能力によって会社の利益に貢献している人に多く配当するといったことも可能です。
役員の任期がない
合同会社は定款で定めない限りは役員の任期はありません。
これによって、任期満了に伴う役員変更登記の手続が不要となります。
一方、株式会社の役員には任期が定められています。
機関設計によって最長10年の任期を定めることができますが、役員に変更がなかったとしても役員の変更登記をする必要があります。
決算公告の義務がない
株式会社では、毎年決算期ごとに決算内容の公表が義務づけられています。
一般的な官報公告の場合、約6万円の掲載料がかかります。
一方、合同会社には決算公告の義務はありません。
ただし、決算書の作成義務は株式会社同様にあります。
合同会社設立のデメリット
一般的な認知度は株式会社のほうが高い
「株式会社」という言葉は知っている人がほとんどだと思いますが、「合同会社」や「LLC」という言葉は、一般的にはあまり知られていません。
一般のお客様や取引先に対する信頼度は株式会社が勝るといえるでしょう。
ただし、飲食業など法人格を表に出さない事業ならデメリットになることは少ないといえます。
意思決定について対立が生じると、収拾が難しい
合同会社は、会社の内部組織を定款で自由に定めることができます。
そして、定款の変更は原則として社員(出資者)全員の同意が必要です。
複数の社員で経営している場合で、定款の内容について意見が割れたときには定款内容の変更自体ができず、業務に支障を来たす可能性があります。
合同会社のもつ「柔軟性」そのものはメリットですが、事がこじれると逆にデメリットになりえます。
****************************************************************************
合同会社のメリット・デメリットは以上です。
基本的には、設立費用の問題をクリアできる方で、決算公告と役員変更手続をメリット実現のためと割り切れる方には、株式会社で設立することをおすすめします。
ただし「合同会社のほうが自分の考える会社像に合う」と考えられる方なら、費用面では合同会社のほうに大きなメリットがありますので、ぜひ合同会社での設立をおすすめします。
当事務所では、会社設立に関して悩んでいる方々を親身でサポートします。
カテゴリー:会社設立サポート